バリューエンジニアリング(VE)の資格認定制度

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(注:本ページはH10年に作成したものです。その後、大きな変更はないものと思いますが、
最新の情報はこちら「http://www.sjve.org/」 等でご確認ください。)

はじめに

 財政改革の一環として公共事業のコスト縮減が建設行政の大きな話題となっている。このため建設省は、PFI,設計VE、基準の見直し等の対策を進めている。バリューエンジニアリング(VE)とは、製品(施設)の機能を確保しながらコストを縮減する手法で、米国で創設されて以来、広く適用されている。 建設省では昨年から今年にかけて、設計VE、入札時VE、契約後VEの試行に関する通達を出して、積極的な取り組みを働きかけている。
 ここでは、VEについて概説と資格制度についてQ&A方式で紹介する。

Q1:VEとは何か?

A1:日本VE協会では、VEを「最低のライフサイクルコストで必要な機能を確実に達成するために製品とかサービスの機能的研究に注ぐ組織的な努力である」と定義している。VEは1947年に米国のジェネラル・エレクトリック社のマイルズ氏によって創設された価値分析手法VAが基礎になっている。その後、防衛省の調達規定の中に取り入れられて以降に適用が急速に拡大した。日本には1955年に初めて紹介され、1960年代に本格的に導入された。

Q2:公共の建設事業にもVEは適用されるのか?

A2:VEそのものは、すべての製品あるいはサービスに適用されるもの。建設コンサルタントに関係の深いものは、建設事業に関連する「建設VE」と呼ばれる分野。国内の公共事業に関する適用事例は、1990年代に入って神戸市の体育館の建築工事が先駆的な事例といわれ、建設省では浮島橋下部工事で入札時VEが実施されている。

Q3:建設コンサルタントの仕事にVEはどのように関わるのか?

A3:建設VEにもプロジェクトのフェーズに合わせて設計VE、入札時VE、施工VEなど、さまざまな形態がある。このうち建設コンサルタントの業務にもっとも関わりの深いのは「設計VE」である。設計VEとは、原設計をたたき台として、顧客の要求や設計条件を踏まえた機能の把握を行い、改善案(VE提案とも呼ばれる)を検討するもの。作業内容としては従来の比較設計と大きく違わないが、改善案の検討にあたってはVE検討組織が編成される。
 検討組織は、建設省通達によれば「社会的に信頼され得る一定水準以上の技術力を有する技術者とし、発注者側、委託先にコンサルタント等の職員の他、複数分野の専門家をくわえることができる」としている。また、検討組織に施工技術者を選定する場合は、技術者個人を対象とし、公募を原則とするなど、透明性の確保がうたわれている。

Q4:VEに認定制度はあるのか?

A4:米国VE協会では、1972年に資格認定制度を導入している。VEスペシャリストの資格であるCVS(Certified Value Specialist)はそのうちで最も重要なもので、VEに関する基本講習会および上級セミナーを受講する、フルタイムで2年間以上のVE業務の経験を有する、VEに関する論文を執筆する、筆記試験のパスすることを要件に、米国VE協会が認定するもの。なお国内では(社)日本VE協会が講習会や試験を実施している。

Q5:CVSはどのくらい取得しているのか?

A5:1997年1月現在で、441人がCVSとして登録されている。日本人は124人だが、このうち建設分野の人はゼネコンを中心に20人程度と言われている。

Q6:VEの資格取得のため、どのように勉強したらよいか?

A6:CVS資格を目指す中間点として、VEリーダーという資格がある。これは12時間以上のVE講習に参加した人が受験対象となり、約2時間の試験を経て与えられる。日本VE協会が開催する「基礎研修」、「入門研修」などを受講すると受験資格が取得できる。
 詳しくは、下記のインターネットサイトへ。

  日本バリューエンジニアリング協会;http://www.sjve.org/
  米国バリューエンジニアリング協会;http://www.value-eng.com/

Q7:VEについてもう少し勉強するための参考書は?

A7:
・「建設VEの実践的活用術」(フジタ技術本部VE推進部編著、彰国社刊);事例をまじえてVEの進め方を具体的に紹介。
・「建設VE実践マニュアルー大幅コストダウンの実現」(秋山兼夫著、産能大学出版部刊);建設VEの作業プロセスを詳しく解説していて、実践に役立つ内容。
・「建設VE」(社団法人国際建設技術協会編、日経BP社刊);米国のVEの実施方法を詳しく紹介しており、VEの実例も数多く掲載。また資格制度の概要や建設省の通達も掲載。

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