『建設コンサルタント』という業界があります
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【建設コンサルタント】「お仕事は何をやっているんですか?」
こう聞かれても、なかなかうまく説明できません。「建設コンサルタント」業界というのは、世間にはなじみのない業界のようです。このHPの登録をyahooにしたら、最初、「経営コンサルタント」として紹介されてしまいました。そのおかげで、経営コンサルタント様宛のメールがずいぶん来て、迷惑しました。しかし、逆にこれは、経営コンサルタントを相手にする商売もずいぶんあって、成り立っていることを示しているように思います。
【残業が当たり前の業界】なぜかこの業界、明るい時間に帰宅できる人がいません。それだけ仕事に追われているのですね。どうなっているんでしょう。
実際の業務は、現場作業もあります。私が関係するのは地盤調査関係ですが、その内容は地面・地中の情報を得ること。そのために地肌の露出を捜して川の中を歩いたり、高い崖によじ登ったり・・・。そして、仕事のメインは得られた情報から、地すべりのような災害となりそうなものはないだろうか、あったとしたらどうしたら防げるだろうか、あるいは目的の構造物(ダムや道路など)を作るためにはどんな設計条件をたてたらよいだろうか、ということを解析するのです。
でも、それは忙しさの本質ではないと思っています。仕事一件あたりの利益が小さいのではないかと思っています。だからいっぱい件数をこなさなければ会社が成り立たない。そういう意味で、マイナーな業界、って損です。社会的に仕事の価値が認められれば、当然報酬も多くなるはず。 |
【業務経歴_その1】建設コンサルタント、と一言でいっても、その内訳は多岐にわたっています。私は、その中でも地質、特に「地すべり」を専門に担当しております。でも、これを具体的に説明するのもまた難しい・・・。「私は山の医者です」というと、イメージできますでしょうか。 健康な山は、しっかりとそびえています。しかし、病気になると地すべりや土石流、あるいは岩盤崩落などを起こしてしまう。 そこで、山の健康診断を行うのが私の仕事です。病気が見つかれば、どうすれば直るかを考えます。手術が必要、と判断されれば、その方法(対策工事)を提案したりします。
【業務経歴_その2】H12年4月〜H15年7月は、上記とは少々異なる業務を担当していました。会社に入って以来それまでは、現地で地質情報および変動状況を調査し、それにより斜面が変動する原因、機構を解明し、対応を図るという業務を担当してきました。しかしその期間は、上記業務の中の 『変動状況を調査する』 部分の、そのまた中の『自動計測』という部分を専門とする部署にいました。
地すべり、土石流、岩盤崩壊等を計測・監視するのに、かつては現地へ人が入り、その都度データを取っていましたが、最近では自動的にデータを収録できる機器を現地に設置しておき、そのデータを回収することにより現地の状況を把握するのが普通になってきました。状況によっては、従来の手動型のほうが良い場合もありますが。
・半自動計測 :現地の収録機器まで人手をかけて取りに行く方法 ・全自動計測 :電話回線等を使って遠隔地で通信により行う方法 後者の全自動計測については、最近は情報通信機器の発達が目覚しく、いろんな方法があり、各社が競っている部分でもあります。 しかし、通信の部分は発達してきているものの、センサの部分はほとんど旧来と変わっていないのが現状です。屋外に設置する電気機器ですから、雷による障害を受けやすいという欠点はなかなか克服できないでいます。 |