地形等のグリッドデータの簡易可視化(エクセルの条件付き書式による描画)
エクセルの条件付き書式とは、セルの値に応じてセルの背景色、文字色、枠線などを指定できる機能。通常は、条件に当てはまるものを強調して目立たせる、という使い方をするものと思われる。
書式指定のうち、セルの背景色の指定方法には、セル値の大小に応じてグラデーションさせる機能もある。この場合、文字が見えると邪魔になる場合がある。文字を非表示にするには、セル書式のユーザー定義で、種類に「;;;」とセミコロンを3つ入力する。これを利用すれば、背景色だけのグラデーション表示となる。
【例 1】
これはとある地層境界面を表現するため、セルの高さを16ピクセル、幅を14ピクセルにし、標高データおよび各種計算式を入力したもの。画面の表示サイズは25%に縮小している。
上段のエクセル画面では、EN12セルに入力している式が表示されている。『計算対象の3×3セルに-9999が含まれていれば-9999、含まれていなければ傾斜量(角)を算出』する式で、傾斜分布の枠内にはすべてこの式が入力されている。傾斜60°を超えている箇所は、ほぼ垂直に近い崖になり、北側の北西南東方向の欠測部は断層が分布している。同様に、傾斜方位の枠には方位の計算式、ラプラシアンの枠にはラプラシアンの計算式が入力されている。
この例は10mグリッドデータで、148行134列なので、約1.5km×1.3kmの範囲が描画されている。この枠内のセルの値に応じて、条件付き書式でセルに着色する。ここで使った書式を、下記に示す。
下段の左は、地層境界面を標高に応じて着色したのだが、3色のグラデーションではうまく表現できなかった。右はこれをエクセルのグラフ機能のうち等高線表示させたもの。No Dataがあると表示できないので、ここではNo Data位置に地層境界面の最低標高値を入れて描画させた(エクセルの等高線表示には、最大256×256サイズの制限もある)。上段の図との対応がわかる。
傾斜分布の書式 (数値の範囲内でグラデーション)
傾斜方位の書式 (方位別に色を指定)
ラプラシアンの書式 (数値の範囲内でグラデーション)
※ここでは上に凸がプラスとしている(本編では逆)。
【例 2】
この例は、10mグリッド、434行491列で、約5km×4.5kmの範囲を描画したもの。セルの高さは16ピクセル、幅は24ピクセル、表示サイズは10%。
左図は、開度図と傾斜量図を画面キャプチャし、photoshop®で合成したものだが、この図がエクセルと汎用描画ソフトで簡便に作成できるとは、思ってもみなかった。
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