2.参考ページ、文献地形解析図についてネット検索をいろいろすると、ヒットするのは大学の講義資料だというのにまず驚いた。そして、今の学生さんたちはこんなことをやってるのね、と。GRASSというLinuxのGISソフトがあって、これを使うと簡単に地形解析図が作れるということは、大阪市立大の升本先生のHPで知った。しかし、Linuxなんてものはさわったことないので、無縁と思っていた。升本先生に関しては、種々の図名をキーワードに検索すると、ここのこのページが何度も出てくる。GRASSは別にして、大いに参考にさせていただいた。 同じく検索でヒットするのが関西大学の木庭先生のHP。実はこれはこのページの一部だったようだが、検索ではフレームの中身が出てくるのでその元は見ていなかった。ごく最近、元から見てみたら、GRASSにはMac版もWindows版も公開されているそうだ。それを先に知ってたらエクセルでなんてやろうと思わなかったかも。そのうち、気が向いたらGRASSも触ってみよう。 (2014.2.18)QGISというオープンソースのGISソフトがあることを知った。とりあえずダウンロードしてみたら、GRASS GISもいっしょに入っていた。QGISはまだダウンロードしただけでドキュメントを読み始めたところだけど、我が家の貧弱なPC環境でも使えるものなのかどうか、、、 GRASSを実際に立ち上げてみると、地形解析の項の中には傾斜や方位、曲率、X軸微分などの項目がある。また、ラスターマップカリキュレータなんていうアイコンもある。たぶんこれらで任意の計算式を入力することもできるんだろうと想像するが、まだ確認していない。 また、この関連で検索していたらとらりもんHOMEというのが引っかかった。これも筑波大学の講義資料らしいが、GISだけでなく、現在これで勉強させていただいている最中である。 (2014.3.13)QGISをダウンロードしたら、GRASS GISといっしょにSAGA GISも入っていた。それで合間を見てちょこちょことさわったり、聞きなれない単語があれば検索してみたりしている。 SAGA GISには、Morphometric Protection Indexというなんだかさっぱり想像できないものがあった。どうやらこれは地上開度らしい。地下開度の計算もできるかと思って設定を見たが、検索範囲しかさわれそうもない。だったら地形(元のDEM)の凹凸を逆にして計算すればいいのかな? ということでやってみたらできちゃった。地上開度は、私のエクセルマクロが幼稚なせいもあるだろうけど、これまで計算するのに数時間、つまり地下と両方やると2日がかりだった。SAGAでも、例えばほかの傾斜量などの計算は数秒だけどこれは10数分かかる。しかしそれでも1時間あればできちゃう。ずいぶん気軽に計算できるんだな、、、。 その他、GIS沖縄研究室というところに、琉球大学と高知大学の講義資料があって、これも参考になった。 その後、個人のサイトと思われるが、いまさらGIS&プログラミングというサイトを見つけた。リンクは古くて切れているものもあるので少し以前に作成されたものと思うが、参考になるものが多々入っている。で、私と同じことを考えていたようで、『ExcelのVBAを利用した50mメッシュ標高での地形解析プログラムを作成してみました。プログラムは出来ているのですが、公開に向けての説明等まだできていないので工事中。しばらくお待ちください。』との記述があった。公開してくれてたら私もこんなページを作ることなかったのに。まぁ、勉強になったから公開してくれてなくてよかったと言うべきか。 ネット資料だけでなく、文献の類もいろいろ見たが、千葉ほか(2007):地形表現手法の諸問題と赤色立体図が一番勉強になった。アジア航測(株)の赤色立体地図の作り方まで書いてある。ただ、方法は書いてるけど具体的なパラメータは特許事項のようで当然書かれていない。 その他文献は作図の項に示す。 ============= (2012.05.30追記) GIS関連で検索していたら、日本地形学連合主催DEM処理技術勉強会〜ArcGIS編〜(2004.11.20)の資料が公開されていた。これを見ると、水文解析図なんかもエクセルで作れちゃうようだ。やってみようかな。 また、国土交通省総合技術開発プロジェクト「災害等に対応した人工衛星利用技術に関する研究」総合報告書の中の第II編第1章6.にも画像処理について説明があり、わかりやすい。 いずれにしても図を作るだけでなくて、その図をどう理解し、利用するかが問題なんだけど。 ============= (2013.01.19追記) 知らないということは幸せなことだと思う。その後もいろいろ見ていたら、地理学評論や情報地質などの雑誌に数値地理関連の論文が多数あることを知った。そして、このHPにはすごく恥ずかしいことをいっぱい書いていたことも知った。 その後に知ったことだが、地形の数値計算に関して野上先生は1990年代にいくつもの検討をされていた。『パソコンによる数理地理学演習』 という著書もあるようで見てみたいが、これは1986年発行で、今はもう絶版になっているらしい。 また、『新編 画像解析ハンドブック』 が良いよ、と見せてくださった方がいた。こいつはハンドブックというタイトルのくせに小型デスクトップパソコンみたいに重量感があって、定価 \37,800- と個人ではちょっと手が出せないよなぁ、、、 (このハンドブック、他に使う人いないからいいよ、と言われ後日からずっと借用中。) ============= (2013.1.24追記) 完全に勉強の順番が違っていた。 今頃になって岩橋(1992)および岩橋(1994)を読んだ。なぁんだ、そうだったのか、というのが最初の感想。基本知識としてこっちを先に仕入れておくべきだった。ただ、実は一番最初に読んだ神谷ほか(2000)を読み返してみたら、同様のことが書いてあった。つまり私の知識がなくて全く理解できていなかったということだ。 それにしても、最近になってあらためて文献検索をして勉強し直しているところだが、これの関係で出てくる文献の多くは1990年代のもの。これは50mDEMが入手できるようになったのがきっかけなんだろう。2000年以降の文献はほとんど見つからなくて、代わって大学の講義資料がヒットする。ということは、数値地形データのパソコン処理については研究し尽くされ、学生が地形を理解するための教材にしかならなくなったということなんだろうか。 * 岩橋純子(1992):「デジタルフィルタを用いた数値地形モデルの地形解析」、情報地質、vol.3、No.1、pp.31-37 * 岩橋純子(1994):「数値地形モデルを用いた地形分類手法の開発」、京都大学防災研究所年報37号B-1、pp.141-156 ============= (2013.6.18追記) 古い文献しかないなぁ、と半年前に書いたが、突然ドカンといっぱいぶち当たった。国土地理院のこのページ。 地理院ホーム > 研究開発 > 地理地殻活動研究センター > 地理情報解析研究室> 主な論文・報文(地形と防災) 佐藤ほか(2010)が、現時点で最も新しい総括だろうか。 岩橋ほか(2009)では解像度が高けりゃいいというものではなく、目的に応じた適切な解像度を探らにゃあかん、と書いてある。と思う。 佐藤ほか(2007)では自動地形分類図の作成法が概略説明されている(オリジナルはIwahashi and Pike, 2007らしい)。そのひとつに、表層テクスチャという指標が出てきた。これは地形のきめの細かさを表すものだそうで、行列の固有値を使った文献は見たことがあるが、ここでは円形のメディアンフィルタを使っているらしい。 固有値を使った文献も確か2mだったか5mだったか、高解像度DEMだったと思うが、ようは地表のシワの程度なのかなと想像しているのだが、excelじゃぁ手におえそうもない。しかしメディアンフィルタを使う方法を知ってふと思った。水系密度も大きなスケールでのシワの程度だとすれば、このフィルタを10mとか50mのDEMに使うと類するものができるんじゃないかな? 水系をきちんと算出するのは難しそうだけど、それをせずに簡単に同様のものが得られるなら使えるかも。 と思ったところで、ふと書棚で眠っている本が目に入った。「日本の地形1」(東大出版会、2001)をめくってみると、山ひだの程度を ”煩雑さ” と呼び、ラプラシアンの標準偏差として定義してあった。あれあれ・・・ ============= (2013.9.6追記) 野上(1995)を読み返したら、『地形のきめ(テクスチャ)』 という文言があった。横山ほか(1999)を読み返したら、ラプラシアンによる地形図のことが書いてあった。いずれも何度か見ていたはずなのに、ちっとも頭に入ってなかった、、、 ============= (2014.3.25追記) これまた大学の講義資料であるが、とてもわかりやすい画像処理の資料があった。これを見ていればこの2年ほど四苦八苦しなくて済んだかも。 |